DVD 2006年9月27日発売
監督 マティア・カレル
出演 キーファー・サザーランド キーラ・セジウィック ストッカード・チャーニング
例えば、自分に残された時間があとわずかだと知った時、人は何を想い、誰に傍にいて欲しいのだろう。それは人によってさまざまだろう。ある人は、やり残したことを自分の生ある限りやろうとするだろう。また、ある人は残された時間を家族とともに過ごすことを選択することもあるだろう。
この作品は、HIVによって余命いくばくもない主人公ロイ(K・サザーランド)が唯一の家族である妹ナタリー(K・セジウィック)と共に過ごすことを望んだものである。
NYで一人暮らすナタリー。写真家としての腕は一流なのだが、何故か個展を開こうとしない。代理人が持ってきた仕事を断ろうとするナタリーなのだが、執拗に迫る代理人に押される形で仕事を引受けることに。仕事先に向かい、実際にクライアントと会ってみると、それは長い間あっていない兄ロイであった。騙されたと感じ怒り心頭で、その場を立ち去ろうとするナタリー。それを必死で食い止める代理人。結局、不本意ではあるものの兄の仕事を手伝うこととなったナタリー。仕事を終え、NYへと帰る準備をするナタリーであったが、ロイの必死の説得によって兄の誕生日パーティへと参加することに。翌朝、帰ろうとするナタリーにロイが自分が病気であることを伝える。それを聞いたナタリーは動揺してしまう……
兄と妹との兄妹愛を描いている作品である。何かにつけ命令口調のロイに対してナタリーは反発を覚えるもロイが深刻な病であることがわかると、どうしても怒りの矛先を兄には向けられない。しかも、日に日にロイの症状は悪化の一途を辿る。最後まで兄の面倒を見ようと決心するナタリー。看護疲れからノイローゼになりそうになりながらも、何とか持ちこたえるナタリー。一方で衰弱していく体をロイは自分自身許せないでいる。せめて、尊厳を持ったまま最後を迎えたいと考え、薬を飲まないことを決意することに。
全編を通してあまり抑揚のない作品になっているが、決して中だるみすることなく、兄ロイと妹ナタリーが中心となって織りなしていく物語である。そこで浮かびあがってくるのが冒頭でも述べたように、死の間際になって、残りの時間をどうすごすのかが丁寧に描かれている。ラストシーンを劇的に演出することなく、淡々と演出しているのには非常に好感が持てる作品となっている。オススメです。
オススメ度 ★★★☆☆ 残された時間あなたならどう使いますか?
ランキング今日は何位?