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2007年05月25日

攻殻機動隊 SAC 第十四話 全自動資本主義



第十四話 全自動資本主義

 大抵の人は自分の時間を会社に供給しその対価として給料をもらう。その中で、異彩なのは個人投資家である。彼らは、膨大な資料や的確な判断によってハイリスク・ハイリターンの生活を送っている。僕たちは強大なシステムの中に取り込まれている、それは資本主義という名の下に搾取する側とされる側に分けられる。殆どの人は搾取される側に廻っている。一部の利権を持った人間が大きな権力を有しその権力をいとも簡単に行使している。勝ち組や負け組といった格差社会がさも存在しているかのように囁かれている。しかし、考えてみると一体何を持って勝ち組、負け組というのを分けているのだろう。全てはメディアが言っているだけで、実態は存在しないのではないだろうか。僕はそのように考えてしまう。

 この物語のベースになっているのは、資本主義や、搾取する側とされる側といった構造が浮き彫りになっているのである。非常に見応えがある作品といって良い。僕が特に印象に残っているのは、冒頭に殺し屋フェムがつぶやいているセリフである。この街では一匹の亡霊が徘徊している。資本主義という名の亡霊が……。この言葉の裏に隠された思いは、大抵の人が無意識に感じることではないだろうか。それを象徴的にではあるが、言葉として表現するのは大切なことだろう。そう感じてしまう。この物語は、SACの中でもお気に入りの一話である。オススメですよ。

オススメ度 ★★★★★ 言葉の裏に隠された思いを感じ取って下さい。

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2007年04月03日

攻殻機動隊 SAC Solid State Society



 高齢化社会。その中では老人の孤独死という問題も隠されている。少子化と叫ばれ続けながらも、一方では児童への虐待が後を絶たない。労働人口も減りながらも、失業率も同様に減らない。そんな現代社会が内包している問題をうまく取り込みながら本作品は描かれている。

 あらすじは、草薙が公安9課から去って2年。トグサが9課のリーダーとなっている。新たに、手には梵という刺青をしている者たちが連続自殺を起こしている。共通しているのは元シアク共和国のカ・ルマの親衛隊員が次々と自殺を謀る。この自殺の意味するところは、新たなテロの始まりの合図に過ぎないのか?そんな中、カ・ルマの長男であるカ・ゲル大佐までもが自殺を謀る。死ぬ間際に傀儡廻しという意味不明な言葉を残して逝ったのである。呆然とするトグサたち。調査を続行していくうちに、新たな謎が出てきて戸惑う9課。果たして事件の全容を掴むことが出来るのか……。

 最初から最期まで飽きさせることなく次から次へと謎が出てくる展開。攻殻機動隊のシリーズでは地味ではあるものの、冒頭に述べたように、色々な現代社会が抱えている問題を物語に巧く取り込んでいるのは秀逸といえる。何度も観たいと思わせる作品に仕上がっている。

 見所は、何度も言うように、老人介護問題や、少子化が問題になっているのに、皮肉なことに児童虐待が日々起こっていることである。これは、現代社会が憂う問題をアニメーションの中にメッセージを含んでいることである。それに加え、労働人口が減っているのに、逆に失業率がのびているという相反する問題にも触れている所である。

 一番、印象に残っているのは最期の草薙のセリフである。一部引用させてもらう。

 >自分の非力さを組織やシステムのせいにしていただけなのかしら。(草薙)
 >また、個人的推論にのとった事件への介入を続けるのか(バトー)
 >それも限界ね。規範の中にいる時は、それを窮屈と感じるけど、規範なき行為は、また行為として成立しない。結局堂々巡り(草薙)

 この言葉が示唆しているのは何なのか?

 自分の弱さを棚にあげて、組織やシステムのせいにしている。窮屈だと思いながらも働いている人もいる。それを嫌がってドロップアウトしたところで、どこかで規範がないことには、その行為自体が無意味になってしまうということではないだろうか?僕は、この言葉を胸に刻み付けて生き続けたいと感じる。

オススメ度 ★★★★★ この現実から目を背けることは出来ない。

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2007年03月20日

攻殻機動隊 SAC 第十三話 テロリスト



第十三話 テロリスト

 16年前に電脳化はもとより義体化に反対する人類解放戦線の亜流セクトの「興国の旅団」によってトクラエレクトロニクスの娘エカ(10歳)が誘拐された。16年後、沖縄200海里放射能除去プラントにて、海上保安庁のSSTの先遣隊4名によって撮影されたのは、16年前と同じ姿をしたエカの姿が撮影された。その後、SSTの先遣隊4名の消息が途絶える。先遣隊の消息と16年前と同じ姿で現れたエカについて調査をするため、9課は沖縄200海里放射能除去プラントへと向かう。

 このエピソードでの見所は、後半での激しい銃撃戦である。タチコマの活躍や9課のメンバーたちの実力を垣間見れるところである。ラストシーンでのやり取りは思わず鳥肌が立ってしまう。エカはどんな体験をしたのか。知りたくないという感情を抱かせるのは秀逸である。

オススメ度 ★★★★★ あなたは知りたいと思いますか?

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2006年12月14日

攻殻機動隊 SAC 第十二話 タチコマの家出、映画監督の夢



第十二話 タチコマの家出、映画監督の夢

 時に人は辛い現実と向き合わなければならない場合がある。それは、親しい人との死や、ペットを飼っている人であればペットの死というのも避けられない。その辛くて悲しい現実に立ち向かう人もいれば、その悲しみを引きずったり、あるいは、現実を直視できずに逃避する人もいる。辛くて悲しい現実を前にすれば、人は強くなれたり、脆くなったりもする。人それぞれである。

 このエピソードでは、辛くて悲しい現実を前に果敢に立ち向かう少女と、ただ辛いだけの現実世界から逃避するかの陽に、防壁のない電脳の世界で繰り返される映画に取り憑かれた人たち。この相反するテーマをうまくひとつの物語として完結させている素晴らしいエピソードになっている。

 天然オイルを入れられたタチコマ一機が突如起動する。好奇心旺盛なタチコマはラボを出て街に繰り出す。そこで出会ったのは飼い犬を探す少女ミキと出会う。ミキという少女はロッキーという飼い犬を探すため海が見える丘公園へと行く途中だったのだ。そこで、タチコマは少女を手伝うことにする。その途中で<防壁のない電脳>を拾い9課に持ち帰ってしまう。そのことが9課に騒ぎを持たらすこととなる。

 愛犬ロッキーを探すミキと行動を共にするタチコマ。その道中でいろいろと話しをする。そこで、ミキは愛犬ロッキーがどうなっているのかを既に知っている素振りを見せる。それは、秘密の金魚の話しをタチコマにするシーンから窺える。

 その、秘密の金魚の話しとは、自分の金魚をどうしても人に見せたがらない女の子の話し。その子が何で人に金魚を見せたがらないというと、自分のおこづかいで買ったからだっていうの。それで、周りの大人はなんて困った子供なんだろうって心配するんだけど、本当は、その金魚はもうとっくに死んじゃってて、そのことを周りの大人に気付かれまいとして、女の子は金魚を誰にも見せなかったの……。

 ミキが生まれてからずっと一緒にいたロッキーの存在。その愛犬の死という悲しい現実を両親はミキに味わいさせたくなかった。しかし、ミキはうすうす感づいてはいるものの、親に心配させたくないといった気遣いを見せるのである。

 今の時代、お互いがお互いを思いやる気遣いといったものが昔に比べると、そういった気遣いというのが薄れてきていると感じたりする。情け容赦なく、人の心の中に土足で入り込んできたりする輩もいたりする。そんな時代にミキという少女の存在の意味合いは大きいのである。

 一方、タチコマが持って返った<防壁のない電脳>をダイヴした調査員の意識が戻ってこない非常事態が発生する。そこで少佐が、その防壁のない電脳へとダイヴした先に見たのは異様ともいえる光景であった。

 始まりも終わりもない映画がエンドレスで流されている。その映画の魅力に取り憑かれた人々たち。そこには、現実世界に戻っても何も良いことはなく、ただただ辛い現実が待ち受けている。しかし、この防壁のない電脳の中で流されている映画を見続けることによって癒されているのである。それは、桃源郷ともいえる理想の世界に居続けることにより、現実から逃避している人々の姿が描かれている。しかし、見方を変えればある意味、一生幽閉されているものである。

 現実逃避も、人によっては癒される場合もあるが、必ず現実世界へと立ち向かわなければならない時期がくる。その時期が早いか遅いかである。「一生、逃げ続けることは出来ないんだよ」というメッセージが込められていると、僕には捉えられる。

 辛い現実に立ち向かおうとする少女と、辛い現実から逃避し続ける大人たち。何とも皮肉な取り合わせがこのエピソードを素晴らしい出来に仕上げているのである。是非とも見てもらいたいエピソードである。

オススメ度 ★★★★★ 辛いことがあるからこそ、幸せを感じられるのではないだろうか?

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2006年12月12日

攻殻機動隊 SAC 第十一話 亜成虫の森で



第十一話 亜成虫の森で

 法務省管轄で電脳閉殻症の授産施設から厚生労働省に大規模なハッキングが仕掛けられた。しかもその手口は常任離れした手際のよさといい、ハッキングされた厚生労働省の不自然な対応に荒巻は疑問を抱く。そこで、荒巻はトグサをその授産施設へと潜入捜査を命じるのであった。授産施設へとむかったトグサはそこで異常な光景を目撃するのであった。

 このエピソードは、”笑い男”事件にとって後に大きな展開をみせる際の伏線となっておりとても重要な意味合いを持っている。さて、ここで語られている授産施設とは、重度の電脳閉殻症患者で一時的に隔離して社会に出るための訓練を促すところと説明されている。

 電脳閉殻症といえば、電脳生活における自閉症ともいえるのである。電脳と非常に相性が良すぎるということで、ほっとけば食事もせずに一日中ネットにつながり続けたり、他人のゴーストとの境界がわからず自分の世界に戻ってこられなくなるので、授産施設では外部とネット接続するには職員立ち会いのもとでないとダメという設定になっている。

 潜入捜査に入ったトグサも外部との接触に手間取り、少佐との定時連絡が遅れてダメだしされるシーンがあるのだが、そのシーンの中で、後に”笑い男”事件について大きな展開をみせるキッカケを与える文章を見かけるのである。

 I Thought what I'd do was. I'd pretend I was one of those deaf mutes. or should I?(僕は耳と目を閉じ、口をつぐんだ人間になろうと考えた。が、ならざるべきか?)

 この文章は、是非とも覚えておいてほしいシーンである。

 いつもながら感じるのだが、30分弱の中で色々な情報を散りばめて、なお且つ物語を破綻させることなく一話完結の物語としてもみせながらも、後の伏線にもなる作り方は、この攻殻機動隊 S.A.Cシリーズの真骨頂といえる。

 是非とも抑えてほしいエピソードである。

オススメ度 ★★★★★ 左利きのキャッチャーミットの意味に注目して下さい!

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2006年12月11日

攻殻機動隊 SAC 第十話 密林航路にうってつけの日



第十話 密林航路にうってつけの日

 2ヶ月で5件の連続殺人事件が発生する。その手口は共通で残酷なものであり、生きたまま生皮を剥がされているのである。その手口からバトーは過去の出来事を思い出すのであった。

 このエピソードでは、バトーの知られざる過去の一端が垣間見れるのである。意外なことに9課のメンバーが、以前何をしていたのかを明確に語られていないのである。唯一わかっているのはトグサだけである。彼は本庁の刑事から引き抜かれており、その他のメンバーは軍上がりということだけである。

 話しを本題に戻そう。通常ではテロ関連でなければ捜査を開始しない9課ではあるが、外務省からの要請で捜査を開始することになる。それと時を同じくしてCIIAの部員が捜査の協力を申しだしてくる。バトーは連続殺人事件の手口から、自分がかつて傭兵時代にみたサンセット計画を思い出すのであった。

 見所は、バトーの孤軍奮闘ぶりだろう。他のメンバーを当てにせず、およそ感情的ともとれる態度をとるのである。そんなバトーの態度を見かねて少佐は、バトーが暴走をしないようにトグサをお目付役として任命するのだが……。これ以上はネタバレ(今でも十分にネタバレのような気もするが…)になるので、書きませんが。

 それともうひとつ、この物語の背景に描かれていることである。それは、いかに戦争は当事者たちにとって悲惨なものであり、時には人格をも崩壊させうる力を伴うものだということを感じとれてしまうのである。一見の価値ありです。戦争について一考させられますよ!

オススメ度 ★★★★★ 時に人は残酷になれるものなり

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2006年12月04日

攻殻機動隊 SAC 第九話 ネットの闇に棲む男



第九話 ネットの闇に棲む男

 このエピソードでは、”笑い男”事件の発端から6年ぶりに現れた笑い男についての概要をわかりやすく説明してくれている。それと同時に、情報を収集していかにその情報を有効に活用しているかも描いているのが、秀逸と言えるだろう。

 ここでは、情報収集やそれを活用することについて着目していきたい。まず最初は、草薙素子(少佐)がラッフィングマンルームに入って行き、「このチャットルームに”笑い男”事件について興味深い話しをするっていう人がいるって聞いたんだけど、どなたかしら?」と聞くのである。少佐ほどの人物が、いくら情報収集が目的といっても、この怪しいともとれるようなチャットルームにまでいかなくても良いのではないか?と、一見思えてしまう。

 ただ、情報について少佐はどういった情報が飛び交っているのかを自分で感覚を掴みたかったのだろう。例えば、情報というのは、その気になれば色々なところから手に入れることが出来る。電車の中吊り広告や、雑誌、新聞などといった紙媒体からや、インターネットなどで情報を収集することは出来る。そこで、情報を集めるだけ集めてそれに満足してしまい活用することが出来なかった経験はないだろうか?というのも、情報ひとつだけでは、意味がなさない場合があるからである。

 あまたの情報の中から、自分にとって必要な情報を収集する。情報を集めたからといってそこで満足してはいけない。その集めた情報の中から、自分の経験や体験を通してその収集した情報を自分なりに分析や解析しなければ、本当の意味で情報を活用出来ているとは言えない。

 チャットルームでのやり取りの中で、少佐は、「事件の全容を解くカギは、6年前の誘拐と今回の暗殺予告直後に連鎖的に起こった現象が、何の因子によって引き起されたのかっていうことの方にある気がするわ。」といった言動でもわかるように、それまでは、ほとんど発言せずにいながらも、情報を収集しながら分析や解析をしていたと考えられるのである。そのことを示唆するかのように、ラストシーンで少佐が、「オリジナルなき模倣者たちがつくった現象。そこに繋がらないピースが二つ」といったセリフに現れていると言える。

オススメ度 ★★★★★ 情報をいかに活用出来るかが大切です。

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2006年11月13日

攻殻機動隊 SAC 第八話 恵まれし者たち



第八話 恵まれし者たち

 ある6歳の少女が心臓の臓器移植を受けた。ところが、臓器の提供について不審な点があると素子の友人から知らせを受ける。そこで9課は海外マフィアによる大掛かりな臓器密売という線を視野に入れ調査を開始する。ところが、事件は思わぬ方向へと展開していくのであった。

 このエピソードを通して垣間見えてくるのが、何ひとつ不自由のない生活を送りながらも、自分の欲望を満たすためには、手段を選ばず、他人を顧みないという現代社会が抱えている闇の部分である。その闇の部分に光を照らしてくれる言葉がある。それは因果応報である。辞書を引くと、”人の行いの善悪に応じて必ずその報いが現れること”となっている。

 物語が進んでいく上で、犯人が判明し草薙が追いつめていく上で、この因果応報という言葉が思い浮かぶのである。

 先にも述べた通り、何ひとつ不自由のない生活を送りながらも、このような犯罪に手を染めるといった行為は、何も臓器密売といった犯罪だけではない。身近なところで思い浮かぶのは、万引きである。貧しくて万引きするのではなく、その商品を購入するだけのお金を持っていながらも、万引きをするというのは、どういう心理からなのか?スリルを求めたりしているのだろうか?それとも、癖となっているのか?このような行為をしてしまう心理とは、おそらく、何かが欠けている、あるいは足りないといった空虚感や欠如感に支配されているからだと考えてしまう。

 このような、空虚感や欠如感を埋めるのは何が必要なのだろう。それは幸せに対しての認識の仕方によって変わってくるのではないかと考える。どういった尺度で幸せを測るのかが非常に大切なのではないだろうか。人によっては、拝金主義に走ったり、心の自由、つまり精神的に楽な状態が幸せと考える人もいるだろう。

 僕としては、拝金主義といった考え方にも魅力を感じずにはいられないが、結局は、心の自由(精神的に楽な状態)を選ぶであろう。今まで生きてきた中で、色々な人生の垢がこびりついているのを、自分と対話をすることによって、本当に自分がしたいことや、出来ること、出来ないことを冷静に分析して、本当に何をしたいのかを、これから先の人生、いや死ぬまで、問い続けていくことであろう。

 ひょっとしたら、今での自分では考えられないことが出来るようになるかもしれないと考えると、何となく自信というか前向きに生きていけるような感じがして、非常に楽しみである。

 このエピソードで描かれているのは、ひと言で要約すれば”因果応報”である。この”因果応報”といた言葉を胸に刻み付けて生きていきたいものである。

オススメ度 ★★★★★ ちょっとでも良いから人に優しく接することができれば世界が少しだけ開くかもしれない。

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2006年11月09日

攻殻機動隊 第七話 偶像崇拝



 ジェノマ人のマルセロ・ジャーキーは、民主革命指導者で伝説の英雄であるものの、彼は幾度も命を狙われながらも、その都度、奇跡的に助かり生き延びてきた。
 そんな英雄が、5年間に12度、およそ5ヶ月に1度のペースで頻繁に来日しているのであった。そこで、外務省は、マルセロが頻繁に来日してくる理由とその行動を、秘かに公安9課に調査を依頼するのであった。

 このエピソードでは、第4話から第6話で”笑い男”事件について緊張感のある物語が続いていたので、閑話休題という意味の側面を持ったものと言える。そういった側面があるものの、そのことで作品自体のクオリティを下げるといったことはない。

 ここで描かれているのは、英雄が英雄であらんための苦悩といったものが描かれている。いきないネタバレになって申し訳ないが、ラストシーンでの、草薙のセリフに表されてある。それは、「機能していない名ばかりの英雄よりも、夢を語り続ける人形の方がいくらかマシである。」といったセリフである。

 この言葉の裏側にあるのは、本来、夢や希望を与える役目を担う政治家たち。彼らは、夢や希望を与えるよりも逆に奪う役割を担っている。そんな彼らよりかは、虚構の世界ともいえるブラウン管の中で活躍しているアイドルや、タレント、スポーツ選手といった人たちが夢や希望を与えている現実を風刺していると考えられる。

 国民的英雄が不在とも言える現代社会。その中で自分なりの英雄を見つけてみたらどうだろうか?

 自分の中で、夢や希望を与えてくれそうな存在というのは大きいのである。たとえ、それがアイドルであったり、俳優や女優、スポーツ選手などといった人たち。そうm誰でもいいのである。極端に言えば、身近で社会的に成功をおさめている人に対して魅力を感じればその人でもいいのである。

 ちょっとやそっとでは夢や希望を与えてくれそうもない政治家に期待するよりも、随分と精神的衛生上よろしいと言える。まずは、自分にとっての英雄を見つけて日々の生活においてハリが出てくるのではないだろうか?

オススメ度 ★★★★★ ちなみに私にとっての英雄は阪神の金本選手です。

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2006年11月04日

攻殻機動隊 第六話 模倣者は踊る



第六話 模倣者は踊る

〜ナナオが仕組んだ分割型遅効性ウイルス。それは、大堂総監の警護にあたるSPの指揮官に向けてのものだった。ウイルスに感染した指揮官は大堂総監に襲いかかるが、間一髪のところで草薙が助けに入る。からくも襲撃から救助したものの、草薙は総監を安全な場所へと移動させようとするのだが、次々に暗殺者たちがあらわれる。この切迫した状況を打開しようとするのだが……〜

 このエピソードでは、第四話から総監暗殺予告から始まった物語に対して一応の収束をみせることになる。

 見所は、次々に大堂総監の暗殺者たちが現れるとこにある。その危機に対しての草薙の動きや、その後の調査によって新たに謎が出てくる点にあるところだろう。ナナオが仕組んだ分割型遅効性ウイルスは暗号変換キーを持つ指揮官のみに発症するタイプだったのに、何故、次から次へと暗殺者たちが現れたのか?暗殺者たちを取り調べたものの、洗脳や電脳汚染といった外的要因はない。しかも、自分自身が”笑い男”だと信じて疑わないものや、犯行予告に触発されたものや、啓示を受けたと信じるものたちまで出てきたりする。

 荒巻や素子はこの現象をSTAND ALONEの複合体であり、”笑い男”のオリジナルは存在しないのではないのかと推理している。
 STAND ALONEの複合体とは?
 つながりを持たない個。もしくは個人。そういった存在が、少しでもつながりを持ちたいために、”笑い男”の犯行予告に呼応したということなのだろう。

 実生活においても、STAND ALONEといった感情を覚えることはないだろうか?職場や、近所付き合いのなかで、ふと感じる孤独感。人とつながりを持てない。もしくは、人間関係においてわずらわしさを感じ人とつながりを持つこと自体を拒否したりしてしまう。ほとんどの場合は自分の思い込みや勘違いで生じる対人関係において生じる誤解が原因なのではないだろうか?ただ、人とつながりを持てなかったり、持ちたくなかったりしたとしても、潜在意識の奥底では、やはり人とつながりを持ちたいと感じていると私は考えるのである。

 というのも、自分自身を振り返ってみると、いきなり孤独感を感じたりすることはあるし、対人関係が煩わしく人と距離を取ったり、もしくは離れてみたり。ただ、心の奥底では、「自分をわかってほしい」、「理解してほしい」といった漠然とした感情が存在することは否めない。先に紹介した第三話の「ささやかな反乱」にでも書いたように、人は何かに依存しているのであろう。その対象が、物であったり、時には人であったりすることだろう。

 本当に奥が深いアニメである。短い時間の中でもしっかりとメッセージというか問題を投げかけてくる。それに対して自分なりに答えを出したり、感じたりすることが大切だと考える。必ずしも自分の解釈が正解じゃなくてもいいのである。自分なりに考えたことや感じることが大切なのだから。

オススメ度 ★★★★★ あなたは何に依存していますか?

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2006年11月03日

攻殻機動隊 SAC 第五話 マネキドリは謡う



第五話 マネキドリは謡う

〜インターセプター不正使用疑惑の釈明会見上で6年ぶりに姿を表したと思われる”笑い男”。その会見上にて”笑い男”ともくされる人物は大堂総監の暗殺をほのめかしたのであった。だが、荒巻はこの状況は警視庁の自作自演だと推理する。と同時に”笑い男”の最重要参考人としてナナオが浮かび上がる。この時期になぜ最重要参考人があらわれたのかを不審に思う9課のメンバーたち。そこでナナオの人物調査、背景、裏付けをとるために捜査を開始する。一方、草薙は独自の視点で”笑い男”事件の全体像をつかむために単独行動をとる。そこで得た情報をもとに彼女は大堂総監の警護にあたることにする。〜

 このエピソードでは、9課の情報収集の能力や分析の高さが描かれている。それは、”笑い男”の最重要参考人であるナナオの聞き込みによって得られた情報を、荒巻に対してイシカワが分析し説明しているシーンにおいて顕著に表されている。

 「必ずナナオを称賛する傾向が認められました。これは強制認識プログラムによる傾向かと思われます。しかも、その中で語られるナナオの人物像は微妙ではありますが1人称をなしておらず、何人かの人格を合成して作ったものであることが判明。なのに、証言内容自体は1人称的文体をなしていないにも関わらず、ナナオの写真をナナオ本人と認めている。」(イシカワ)といったように、電警でも見破られなかった、巧妙に上書きされた記憶の改ざんを見抜くのである。

 それに加え、草薙素子の全体を俯瞰して状況を把握する能力に長けている。外部記憶装置によって、”笑い男”事件の全体像をつかもうと、警察内部にある資料だけでなく、”笑い男”によって引き起された全部の事件を報道しているメディアからも情報収集をしている点である。例えば、次のようなやり取りがメディアによって報道されているシーンがある。「一人称から三人称にすり替わっている。」「それは記号的妄想。ネット社会の暗部から自然発生的に産まれてき生命体。すなわち、つながりを持たない共犯者たちに引き起された複合的な事件」などと、TVで評論家が言っている言葉に対しても耳を傾けている。このように、情報を多角的に見るというのは、普通の生活や仕事においても参考になるのではないだろうか?

 それと不思議に感じるのは9課のメンバーそれぞれの個性が強い。しかし、その個性がケンカすることなくうまい具合にまとまっている点である。その理由は、荒巻が素子に対して言ったセリフに表れている。

 「われわれの間には、チームプレーなどという都合の良い言い訳は存在せん。あるとすれば、スタンドプレーから生じるチームワークだけだ。」

 このセリフこそが、公安9課をうまく表現している。荒事だけでなく情報戦(電脳戦)においても優秀であることを証明されているエピソードと言える。是非とも、このエピソードでは各人のセリフや言い回しを堪能してください。

オススメ度 ★★★★★ 情報を多角的に見るということを心がけたいものです。

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2006年11月02日

攻殻機動隊 SAC 第四話 視覚素子は笑う



第四話 視覚素子は笑う

〜トグサのもとに本庁で同期だったヤマグチから連絡が入る。内容は6年前に連続した企業テロの笑い男事件について、本庁上層部に不審な動きがあるとのこと。1時間後に待ち合わせを約束した二人だが、結局ヤマグチはトグサのもとへ来ることは出来なかったのである。トグサのもとへ向かう途中にヤマグチは高速道路で事故死していたのであった。ヤマグチの死因に疑問を抱いたトグサ。調査を開始したいと荒巻に直訴することに。荒巻から3日間の猶予を与えられたトグサ。早速、調査を開始することにするのだが……〜

 この第四話「視覚素子は笑う」では、後に攻殻機動隊のエピソードの中核となる”笑い男事件”の端緒を開くエピソードとなっている。しかも刑事ドラマのテイストが色濃く反映されているために見応えがあると言える。

 このエピソードでは、トグサの活躍が見逃せない。9課の中で新人という立場のためか仲間内では、あまり頼りにされない傾向がある。しかし思い出して欲しいのだが、第一話で料亭内に突入した際に自分の射撃に不満をもち、射撃練習に打ち込むトグサに対して、草薙が「あなたを本庁から抜いたのは、何のためか考えなさい。」といったくだりがあったのだが、その言葉の裏には、トグサの推理力を草薙は買って期待していたということだと考えられる。

 その期待に応えるかのように、今回はトグサの推理力、観察力が十二分に発揮される。同期だったヤマグチの妻から通夜に行った際に預かった写真のトリックを見抜いた点からでも窺える。

 このエピソードで出てくるマイクロマシンメーカーのセラノゲノミクス社は、今後の展開でも重要な役割を担っているので是非ともおさえてほしいところである。最後の大堂総監の記者会見場であらわれる笑い男のPOPなマークも同様である。

 今後の展開に期待を持て、非常に楽しみである。

オススメ度 ★★★★★ 後を引く面白さです。

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2006年10月25日

攻殻機動隊 SAC 第三話「ささやかな反乱」



第三話 ささやかな反乱

〜同機種のアンドロイドの自殺が続けて起きる。この事件の背景にあるものを探るために、9課が捜査を担当することになる。果たして、これは新手のテロなのかそれとも……〜

このエピソードの背景を理解するためには、中島らも氏のエッセイに書かれていた文章がピッタリと当てはまると言える。以下は氏のエッセイで「心が雨漏りする日には」より引用させてもらう。

「プラトンの言葉で、「人間はもともと球体をした生き物で、それが半分に断ち割られて今の姿になった。だから自分に欠けている片方を探して回るのだ」
多かれ少なかれ、人は何かに依存して生きている。(中略)この依存するという行為は、自分の欠けている部分を埋めようという行為なのだと思う。欠けているところがあれば、そこを埋めようとするのは実に自然な感情で、だから人は何かに依存することで、自分の穴を埋め続けていくのだ。」

このようなことを鑑みると、われわれの人間が抱えている業とも言える心理をズバリ言い当てているのではないかと思ってしまう。

やはり、人は何かに依存しているのである。自分を振り返ってみると、タバコやお酒、古くからの友人や家族に依存しているのは事実である。

もっと掘り下げて考えてみると、「ないものねだり」「隣の芝は青くみえる」といったことわざがあるように、このような感情を抱いたことはないだろうか?

私なんかは、そういう感情によく支配されることがある。その度に自己嫌悪を覚えたり、逆にモチベーションが高まるといった感情が交互にあらわれてしまい、自己矛盾に悩んでしまうことが多々ある。

自分では出来るだけ整合性を保とうとしているのだが、知らず知らずのうちにいつの間にか、整合性が崩れ矛盾が顔を出してくる。

そういったことを踏まえて、自分や社会全体においても自己矛盾を内包しているものだと考えて生きていったほうが、意外と楽に生きていけるかもしれない。

やはり、攻殻機動隊は非常に奥の深いアニメと言える。
これが私の心を惹き付けてやまないのである。

是非、攻殻機動隊の世界に触れてみて下さい。オススメですよ。

オススメ度 ★★★★★ 自己矛盾を肯定することもひとつの生き方と言えるのでは?

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2006年10月24日

攻殻機動隊 SAC 第二話「暴走の証明」



第二話 暴走の証明

〜剣菱重工の新型多脚戦車が播磨研究所内においてデモンストレーション中に暴走をしてしまう。テロなのか、それともAIの暴走なのかわからない。そこで公安9課に出動要請がくだる。新型多脚戦車の暴走を無事とめることができるのか……〜

このエピソードでは、9課は、暴走する新型多脚戦車についてのスペックがわからないままの出動となる。どんな装備が必要なのか、どのような対抗策をとるのかが未知数のまま、不安を抱えながら新型多脚戦車と相対することとなる。

情報が過不足なく行き渡っている場合、そこには何のストレスも感じない。一転して情報が足らない場合、どうしてもストレスを感じてしまう。

例えば、突発的な仕事が入ったときのことに置き換えてみるとわかりやすい。突発的な出来事といえば、情報が錯綜したり不足したりすることが多い。こういう状況におちいってしまうと、なかなか先手をとることが出来ずに、後手にまわってしまう。

自分のペースに持っていこうとすると、多大な労力が必要となり、それによって過大なストレスにさらされることとなってしまう。

こんな状況下において、どのように9課が行動していくのかが見所のひとつとなる。

ただ、このエピソードにおいて、情報に対してもうひとつの見方が出来るように創られている。

9課が情報の不足によって苦しんでいるのとは対照的に、情報があるのに、ある事情によりその情報を活かせないもどかしさや哀しさをも同時に描いている。

これ以上はネタバレとなってしまうので書けませんが、ただ、30分程の短い時間ではあるものの、このエピソードは、その時間で描かれているとは思えない程の内容といえる。

個人的には、SACのエピソードの中でもお気に入りのひとつである。

オススメ度 ★★★★★ 暴走の先にあるのは哀しみそれとも憎しみなのか?

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posted by Genken at 21:52| 兵庫 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月26日

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 1-1



第一話 公安9課

〜料亭内で、ロボット芸者が外務大臣や秘書官たちを人質に立てこもる。公安9課が出動することになり…〜

士郎正宗原作の「攻殻機動隊」を原作に、1995年の劇場用作品に続いて、2002年放送開始のTVアニメ版である。

原作や映画版では、自己の存在意義について問う作品となっているが、TV版では、基本的には1話完結の形をとっており、刑事ドラマのような味付けを施しているので、人形使いは登場していない。

第一話は、公安9課のメンバー紹介という意味合いの強いストーリーとなっている。

一番印象に残っているのは、草薙素子の登場シーンでのセリフである。

「世の中に不満があるなら自分を変えろ、それが嫌なら、耳と目を閉じ口をつぐんで、孤独に暮らせ、それも嫌なら……。」

自分の力ではどうにもならない、世の中への不満や、欺瞞、汚れた部分を、垣間見たときに感じる、憤りや怒り、その感情をうまく消化できずにいたりする。

そのときに感じているのは、「悪いのは世の中であり、自分を理解していない他人だ。」と考えたりする。

ただ、不平不満を胸に抱いて生きていき、愚痴をいったり、怒りを爆発させたところで、世の中は簡単にはかわらないのである。
その事実を漠然とではあるが、自分自身わかっているからこそ、怒りや憤りが増幅されるのである。

その感情に対しての、ひとつの解決策として、草薙素子のセリフに込められているのである。

「自分自身を変える」とはどういうことか?

個人的には、視点を変えることだと考えます。

世の中をどのような視点でみているのか?真正面から、それとも斜に構えて、裏からみているんじゃないか?自分の都合の良いように解釈しているのではないか?
他人に理解されていないと感じたりするのは、本当は、その人を自分が理解出来ていなかったりしているのでは?

私自身も、どうしようもない、怒りにかられたとき、出来るだけ、このように視点を変えようと努力しています。

ただ、このように視点を変えようとしても、いつも成功する訳ではないのだが…。
成功すれば、また違った感情が出てくるのを感じるだろう。

自分自身を変えることが、他人や変わらない世の中を変えようとするよりは、いかに、簡単であることに気づくことだろう。

オススメ度 ★★★★★ 自分自身の視点を変えてみると……
posted by Genken at 23:55| 兵庫 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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