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2006年12月14日

攻殻機動隊 SAC 第十二話 タチコマの家出、映画監督の夢



第十二話 タチコマの家出、映画監督の夢

 時に人は辛い現実と向き合わなければならない場合がある。それは、親しい人との死や、ペットを飼っている人であればペットの死というのも避けられない。その辛くて悲しい現実に立ち向かう人もいれば、その悲しみを引きずったり、あるいは、現実を直視できずに逃避する人もいる。辛くて悲しい現実を前にすれば、人は強くなれたり、脆くなったりもする。人それぞれである。

 このエピソードでは、辛くて悲しい現実を前に果敢に立ち向かう少女と、ただ辛いだけの現実世界から逃避するかの陽に、防壁のない電脳の世界で繰り返される映画に取り憑かれた人たち。この相反するテーマをうまくひとつの物語として完結させている素晴らしいエピソードになっている。

 天然オイルを入れられたタチコマ一機が突如起動する。好奇心旺盛なタチコマはラボを出て街に繰り出す。そこで出会ったのは飼い犬を探す少女ミキと出会う。ミキという少女はロッキーという飼い犬を探すため海が見える丘公園へと行く途中だったのだ。そこで、タチコマは少女を手伝うことにする。その途中で<防壁のない電脳>を拾い9課に持ち帰ってしまう。そのことが9課に騒ぎを持たらすこととなる。

 愛犬ロッキーを探すミキと行動を共にするタチコマ。その道中でいろいろと話しをする。そこで、ミキは愛犬ロッキーがどうなっているのかを既に知っている素振りを見せる。それは、秘密の金魚の話しをタチコマにするシーンから窺える。

 その、秘密の金魚の話しとは、自分の金魚をどうしても人に見せたがらない女の子の話し。その子が何で人に金魚を見せたがらないというと、自分のおこづかいで買ったからだっていうの。それで、周りの大人はなんて困った子供なんだろうって心配するんだけど、本当は、その金魚はもうとっくに死んじゃってて、そのことを周りの大人に気付かれまいとして、女の子は金魚を誰にも見せなかったの……。

 ミキが生まれてからずっと一緒にいたロッキーの存在。その愛犬の死という悲しい現実を両親はミキに味わいさせたくなかった。しかし、ミキはうすうす感づいてはいるものの、親に心配させたくないといった気遣いを見せるのである。

 今の時代、お互いがお互いを思いやる気遣いといったものが昔に比べると、そういった気遣いというのが薄れてきていると感じたりする。情け容赦なく、人の心の中に土足で入り込んできたりする輩もいたりする。そんな時代にミキという少女の存在の意味合いは大きいのである。

 一方、タチコマが持って返った<防壁のない電脳>をダイヴした調査員の意識が戻ってこない非常事態が発生する。そこで少佐が、その防壁のない電脳へとダイヴした先に見たのは異様ともいえる光景であった。

 始まりも終わりもない映画がエンドレスで流されている。その映画の魅力に取り憑かれた人々たち。そこには、現実世界に戻っても何も良いことはなく、ただただ辛い現実が待ち受けている。しかし、この防壁のない電脳の中で流されている映画を見続けることによって癒されているのである。それは、桃源郷ともいえる理想の世界に居続けることにより、現実から逃避している人々の姿が描かれている。しかし、見方を変えればある意味、一生幽閉されているものである。

 現実逃避も、人によっては癒される場合もあるが、必ず現実世界へと立ち向かわなければならない時期がくる。その時期が早いか遅いかである。「一生、逃げ続けることは出来ないんだよ」というメッセージが込められていると、僕には捉えられる。

 辛い現実に立ち向かおうとする少女と、辛い現実から逃避し続ける大人たち。何とも皮肉な取り合わせがこのエピソードを素晴らしい出来に仕上げているのである。是非とも見てもらいたいエピソードである。

オススメ度 ★★★★★ 辛いことがあるからこそ、幸せを感じられるのではないだろうか?

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posted by Genken at 19:30| 兵庫 🌁| Comment(2) | TrackBack(1) | アニメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。
トラバして頂きありがとうございます。
今後ともヨロシクですm( _ _ )m
Posted by 「漫画無料館」シゲ丸 at 2006年12月16日 10:33
>「漫画無料館」シゲま丸さん

こんばんは。
コメント&TB有り難うございます。

こちらこそ、今後とも宜しくお願いします。
それでは、失礼します。
Posted by Genken at 2006年12月16日 21:20
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Tracked: 2006-12-15 14:02
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