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2006年11月01日

エミリー・ローズ



2006年 3月公開

監督 スコット・デリクソン
出演 ローラ・リニー(エリン・ブルナー) トム・ウィルキンソン(ムーア神父) キャンベル・スコット(イーサン・トマス) ジェニファー・カーペンター(エミリー・ローズ)

 悪魔祓いを取り扱った映画として、まず、思い浮かべるのは「エクソシスト」や「コンスタンティン」である。オカルトホラーとしては王道ともいえるが、この「エミリー・ローズ」は、先にあげた2作品とはちょっと系統が違う作品といえる。というのも、この作品においては悪魔祓いがメインで描かれていないからである。では、何がメインなのかといえば、ムーア神父の過失致死罪を問う裁判の物語だからである。それを踏まえないと王道のような作品を期待していた人は肩すかしをくらった感じがするのではないだろうか?

 この作品を最大限に楽しむためには、以下の情報を是非ともおさえておきたいものである。

 それは、2009年5月に裁判員制度がはじまるということだ。簡単に説明すると、重大な刑事事件で、一審(地裁)のみ、裁判員として裁判に参加する制度である。この制度に照らし合わせて、この作品を鑑賞してみると、オカルトホラーとしては物足りなさを感じたものが、裁判を描いた作品として観れば、素晴らしく仕上がっているからである。

 あらすじは、ある日、ムーア神父が過失致死罪で起訴される。その理由とは、悪魔に呪われたという19歳の女子大生エミリー・ローズに対して悪魔祓いの儀式をした結果により、無惨な姿で命を落としてしまったからである。
 ムーア神父の弁護をするのは有能で野心家の女性弁護士エリンが担当する。検察側は、エミリーは精神疾患で薬の服用をやめさせたことが死因だと主張する。検察側の主張に色々と手を尽くすのだが、終始押され気味のエリン。起死回生の策として、証拠品として悪魔祓いを記録したテープと、エミリーが死の直前に書いた一通の手紙を出すのだが……。

 意外なのは、ムーア神父を弁護を担当するエリンは不可知論者(*1)である。しかも、検事はというと信仰心が厚い人物となっている。こういった皮肉な取り合わせが、物語に奥行きを与えている。

 裁判を扱った作品でよく見かけるように論点をズラして自分たちに有利に仕向けるような描写は見受けられない。このように論点をズラして裁判を進めたケースで思い出す事件がある。それは、O・J・シンプソン事件である。簡単に説明すると、元妻とその友人を殺害し、O・J・シンプソンの自宅周辺から得られた証拠により、彼の犯行と断定されるも、刑事事件なのに、人種差別を論点として展開して無罪の評決を勝ち取ったのである。

 この作品では、そういった論点をズラして有利に裁判を進めるといった描写はなく、オカルト(悪魔祓い)に対して正直に真正面から描いているのが非常に好感を持てる。至極の作品と言ってもいいと私は考えています。

 もし、自分が陪審員(裁判員)だったらという視点で観てみると、より一層この作品に対して入っていけるのである。検察側の主張にも頷けるところもあるし、弁護側の主張にも共感できたりもする。双方の主張も素晴らしいものであったが、一番印象に残ったのは、弁護士の言葉でもなく、検察側の言葉でもなく、ムーア神父の言葉や、エミリーの手紙であった。

 だけど、有罪か無罪かどっちに評を入れるのかと自分自身考えてみた。かなり悩んだが、有罪に評を入れるだろう。自分でも矛盾していると感じながらも、やはり過失致死罪ということを鑑みれば、ムーア神父にも過失があったと言わざるを得ないからである。(心情的には無罪なんですが……)

 見応えのある良質な作品なので、オススメですよ!

オススメ度 ★★★★★ あなたなら、どちらに評を入れますか?

ランキング今日は何位?
 
(*!)不可知論…超感覚的なもの、絶対的なもの、無限的なもの、神の存在などは認識することができないとし、いっさいの経験を超越した問題を論ずるのは無用であるとする哲学的傾向。
posted by Genken at 23:55| 兵庫 ☁| Comment(4) | TrackBack(5) | 映画(あ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは!
a.s.hさん…イギリスイッチャイましたね〜
rainさんの所で名前みて…やって来ましたョ〜〜最近は、記事も絶やさず書かれてるのね☆
見てはいても、なかなか構えてしまってコメント出来ず本当に遅くなって失礼!!
又来ますね(^O^)/

こちらにもきてねo(^-^)o
Posted by カレン! at 2006年11月04日 16:48
>カレン!さん

こんばんは。いつも来て頂いて本当に、感謝しております。

ただ、非常に申し訳ないのですが、コメントについてひとつお願いがあります。

個人的には、コメントというのは、その記事に対して、共感したりもしくは、違う意見を感じたときに書くものだと考えております。

あまり、記事の内容とかけ離れたコメントを書かれてしまうのは困りものです。

今後、記事の内容とあまりにもかけ離れていた場合は、削除させて頂きますので。

そのことをどうか、ご了承してください。

それでは、失礼します。
Posted by Genken at 2006年11月04日 23:23
こんばんは!コメントについてのアドバイス他、ありがとうございました。
こちらの記事に関しての感想が、全く抜けており失礼いたしました。
【オカルトホラー】モノは苦手でほとんど鑑賞する事はありませんが、こちらのレビュー読み【裁判】モノという事ですので、興味あり是非鑑賞したく思いました!
という内容をコメントしようと思っていましたが、どうもGenkenさんの所では、緊張してしまい…うっかりでしたね(>_<)
本当に、ごめんなさい…又、私のブログにもご丁寧にコメントをありがとうございました。
取り急ぎ、こちらにお詫びとお返事を失礼致します。
又、改めてのブログにもお返事いれておきますので、よかったらご覧下さい。
Posted by カレン! at 2006年11月07日 22:29
>カレン!さん

ご理解頂き有り難うございます。
私も、何気なくコメントを書いてしまって、相手の気分を害してしまった苦い経験もあります。

言葉や表現の仕方ひとつで、相手にとっては毒にもなったり薬にもなったりするので、コメントをする際には、お互いに気をつけた方が良いと考え(自戒も含め)、先のようなコメントを入れた次第です。

それでは、失礼します。
Posted by Genken at 2006年11月08日 01:15
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