2004年5月公開
監督 オリヴィエ・ダアン
出演 ジャン・レノ ブノワ・マジメル クリストファー・リー
前作と同様に異なる2つの事件が結びつき大きな謎を呼び起こすサスペンス・スリラー作品となっている。今回はリュック・ベンソンによって書かれたオリジナル脚本となっている。キリストと12使徒をなぞらえた一味を巡る陰謀を追う2人の刑事の姿を描いている。
簡単にあらすじを言うと、フランス・ローレヌ地方にある修道院の壁に死体が埋め込まれる難事件を捜査するニーマンス警視(J・レノ)と、麻薬捜査中のレダ(B・マジメル)がキリストと名乗る男と出会う。意外にも二つの事件が交錯し、巨大な陰謀が浮かび上がる。
シリーズものとして、不安なのが前作の出来が良かった分、次回作品の出来である。このような状況をうまく説明してくれているのが中島らも氏である。氏の「僕にはわからない」というエッセイの中で、”二代目はつらい”に掲載されているので少し引用してみる。
「二作目が一作目と々水準かそれ以上のものを持っているケースは非常に少ない。(中略)制作者が同じ人間であるにもかかわらず一作目を乗り越えられない事情は(中略)まず受け手の側に過剰な期待感がある。そういう状況では100のものを作っても、七、八0ぐらいにしか感じてもらえない。一二〇の力を出さない限り”一作目の方が面白かった”となってしまう(中島らも著僕にはわからないから引用)
この作品はどうなのか?日本人には馴染みの薄いキリスト教や12使徒をからませて物語が展開していくので今ひとつこの作品の持っている良さが伝わりにくいと感じる。僕としてはこういう展開も好きなのだが。評価としては今イチ盛り上がりに欠けるといったところか。無信心論者が多い日本ではキリスト教も単なる宗教のひとつである。終末思想をもってこられても正直またかという感は否めない。前作が良かっただけに、余計そう思ってしまうのである。かえすがえすも残念である。
正に、中島らも氏が指摘した通りの結果となった訳である。だからといってこの作品が劣っている訳でもない。宗教がらみの映画が好きな人はもちろん楽しめる作品となっている。万人には受けにくい作品ではあるが。一度観ておいても損はしない作品とも言える。
オススメ度 ★★☆☆☆ 観るものを選んでしまう作品です
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