2006年1月公開
監督 ジョー・ライト
出演 キーラ・ナイトレイ マシュー・マクファディン ドナルド・サザーランド
言葉足らずで時に人はあらぬ誤解をうけることがある。本人にその気がなくても高慢な態度と捉えられることが多々ある。人見知りの性格が災いをもたらすのもそういう時だ。人見知りするが故言葉が上手く出てこずぶっきらぼうな態度が、相手に対して無愛想な印象をもたれてしまう。そんな不器用な男ダーシー(M・マクファディン)は、5人姉妹の侍女エリザベス(K・ナイトレイ)に悪印象を与えてしまう。さらにあらぬ誤解からダーシーへの嫌悪感をますます募らせるエリザベス。そんな二人が不器用ながらも、お互いに何故か気になる存在へとなっていくのだった……。
この作品はジェーン・オースティンの「高慢と偏見」を映画化した文芸ラブストーリーである。18世紀末のイギリス。女性に相続権がないため、父親が死去した場合遠縁の男子が家も土地も継いでしまう時代。そんな時代に娘ばかり5人いるベネット家。母親はなんとか娘たちを資産家と結婚させようと躍起になっていた。そんな時代にも関わらず、見栄をはることも、男性に媚を売ることもせず、独立心が強い女性エリザベスを、キーラ・ナイトレイが素晴らしい演技で魅了して、主演女優として最後までこの作品をひっぱった。見事の一言に尽きる。
高慢だと偏見をもったところから、その偏見をなくすまでの物語である。最初は小さな誤解から始まり、さらにエスカレートしてしまう。いつになったら二人の間に出来た溝が埋まるのか。観ているコチラとしてはこの作品にすでに引き込まれているのである。まるで文学作品を読んでいるかのようである。一言一言の台詞に重みがあり且つ伏線となって散りばめられている。まさに至極の作品と言えよう。一件すると地味な印象を受けがちだが、キャストの好演、飽きさせない脚本、練りに寝られているといった感じだ。後味の良い作品に仕上がっています。未見の方は是非観てもらいたい作品です。
オススメ度 ★★★★★ 至極のラブストーリーを堪能して下さい
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