2006年1月公開
監督 セバスチャン・コルデロ
出演 ジョン・レグイザモ レオノール・ワトリング ダミアン・アルカザール
人は過ちを犯すことがある。僕も今まで生きてきて数々の過ちを犯してきた。何故過ちを犯すのか?それは、ひとえに人間の持っている二面性に端を発しているからではないか?そこにマスメディアからの情報を鵜呑みにしてしまうと、余計に危険である。何故危険なのか?それはマスメディアが孕む危険性を感じてしまうのである。その上、僕を含めて多くの人はTVから与えられる情報というのは頭からこの情報を信じてしまいがちである。
さて、この物語は人間の持っている二面性とマスメディアが孕む危険性に鋭くメスを入れている。あらすじはというと、人気TVレボーターのマノロ(J・レグイザモ)はマイアミに拠点を置くラテン系アメリカ人向けのタブロイド番組に出演している。その彼と番組プロデューサーのマリサ(R・ワトリング)の二人は、子供ばかりを狙う連続殺人事件の犯人とされる”モンスター”を取材するために、犠牲者のいるエクアドルへとやって来た。そして被害者の子供の葬儀を取材中に彼らは偶然にも、”モンスター”の犠牲者の兄が急に飛び出して車にひかれる現場に居合わせる。運転していたのは真面目な聖書販売員のピニシオ(D・アルカザール)だった。彼は被害者の父親や周囲にいた群衆たちは興奮してピニシオは集団リンチに遭い、警察の手によって逮捕収監されてしまう。翌日、留置場を訪れたマノロはピニシオと接見する。ピニシオはマノロに番組の力で冤罪を晴らして欲しいと懇願する。その見返りとして連続殺人鬼”モンスター”に関する極秘の情報を提供すると、申し出るのだが……
この作品が秀逸なのは、色々な視点で見られることである。というのも、それぞれの視点で見ると、それこそ、違った作品に見えるのである。例えば、マノロの立場で見てしまうと、マスメディアが孕んでいる危険性。この作品の場合は、スクープ欲しさに突き進み、最後にはマノロは抜き差しならない状態である。一方、ピニシオの視点で見れば、どれほどマスメディアの影響力を知っていてそれを利用としているのが見え隠れする。それ以上に彼の二面性も誰しもが大小の差こそあれ、大抵の人が持っているものである。だからこそ、ピニシオの視点でみれば、そのところを踏まえてみるとまた違った作品になるのである。
僕にとっては想い出深い作品に巡り会えたと感じてしまう。何度も見たい作品がまたひとつ増えてうれしい。いずれにしてもオススメな作品です。
オススメ度 ★★★★★ 人間のもつ二面性、マスメディアの危険性を感じて下さい。
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